霞の中にひかりを見る

基本的に備忘録です。

大型自動車第一種運転免許を取った話

正直、この話を書くつもりなかったので免許を取ってから2ヶ月という時間が経って色々忘れてますが、普通車MT教習を受けているのを見て書きたくなったので思い出という事で。

 

はじめに

もともと最初に大型一種を取ろうと思ったのは3年前。

普通免許を取って3年経つか経たないかくらいでその時に教習所に通い始めても良かったんですけど、時は3月の春休みシーズンで予約がスムーズに取れればいいんですがそうでなければ諸事情で4月中旬までに卒業しなくちゃいけないという問題を恐れて通いませんでした。

ちなみにこの時に取っていれば5万円は安く取れていました。(埼玉と東京で価格帯が違うため)

 

そうして時が経ち色々と落ち着いた去年の7月に入所申し込み。

学科はないので運転教本だけ渡されたのですが、それが薄い…

普通車の時にもらったものの3分の1程度でした。

基本的な運転操作は既にマスターしているだろうからという事なんでしょうが…

この時に合わせて準中型免許以上では必須の深視力検査を受けましたが、この検査、私は苦手です…どこか簡単に練習できる場所ほしい…

その後、1週間くらいして教習にいつもセットのマークシートの適性検査、ここで予約を取れるようになりましたが、今度は夏休みシーズン。

3週間先までの間で5つか6つ予約を入れられるんですが、入所時に一括で予約を入れている人たちで予約が埋まっており予約が全然取れない始末。

そんな予約に取るのに苦労する状態だったので一コマ乗ったら次は3週間後、かと思ったら1日で三コマ乗車…というふうにムラのある教習を最後まで受けていました。キャンセル待ちも最初は時間が無駄になるしと思って利用していませんでしたが、このままだといつになっても終わらないという焦りが出てきて中盤くらいから活用して乗車していました。

 

1段階

車両感覚と基本運転操作

最初の教習で指導員に今までトラック運転した事はある?と聞かれて全然ないです、今までの最大はハイエースですと答えたら大型は大変だよ〜と言われて教習が始まりました。

教習車は日産ディーゼル(現UDトラックス)のクオンでした。(たぶん)

車両サイズは当然ですが大きい!

普通車は全長約4.7メートル全幅約1.6メートルなのに対して大型車は全長約12メートル全幅約2.5メートルと全長で約2.5倍、全幅で約1.5倍のサイズです。

さらに大型車のミラーは大きいので普通車よりさらに幅をとって道路幅ギリギリという感じです。

内輪差とか外輪差とかで影響してくるホイールベースは普通車で約2.7メートルですが大型車は約7.2メートルと全長と同じく約2.5倍になります。

トレッドは普通車で約1.4メートル、大型車は前輪約2メートル、後輪約1.8メートルです。

最小回転半径は普通車は全長より長い約5メートルなのに大型車は全長よりも短い約10メートルになります。これはトレッドの差が少ないのもありますが舵角が普通車より大きく設定されているのも影響しています。

 

4輪(以上の)MT車は普通免許を取った以来でうまく変速できるかエンストしないか心配でしたが、割とうまく出来ました。

ただ教習車は7速車で2速発進が基本だったのですが最初のうちは7速ギアに慣れず左に倒しすぎてリバースに入ったり逆に2速と4速の間にギアを入れそうになって結局ギアがなかなか入らないというのがありました。

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シフトイメージ図


通っていた教習所は大型教習車は2台あり、その2台でミッションのかたさに差があってこめる力の具合が同じでもリバースに入ったり2速に入ったりとしていました。

あとギアの段数が多いので加速しようと思ったらすぐにギアを上げていかないと速度が全然出ないのは感じました。

 

ブレーキも大型車特有のエアブレーキですが、これに慣れず今までの運転経験での丁寧なブレーキを掛けても急ブレーキになっていました。

踏みこみ式でなくオルガン式ペダルに慣れていなかったというのもあるかなという言い訳も添えておきます。オルガン式の方が丁寧な操作が出来るらしいので完全な言い訳ですが。

このエアブレーキは仮免検定の時でもマスター出来ずに急ブレーキをしていましたが、2段階の頃にようやく習得できて急ブレーキにならないようになりました。

 

視点は2段もステップを上るだけあってとても高く遠くまで見えました。

またミラーが縦長で普通車と違って後輪がミラーの視界に入り、前もアンダーミラーでカバーされているので大型車を運転してから普通車を運転した時に大型車の方が運転しやすいなと思いました。教習車特別仕様なのか右アンダーミラーも付いているのでかなり死角は少なくなっていました。

 

ハンドルも普通車のものと比べて大きくちゃんとシートの位置やハンドル位置を合わせて座らないとハンドルを切るときに腕が手前でつかえたり、逆に腕をめちゃくちゃ伸ばす苦しい姿勢に追い込まれてしまうので位置合わせの重要性を感じました。乗用車では舵角は30~35度といわれていますが大型車は45度以上とのことでそのぶんいっぱいまでハンドルを切ると戻すのがまた大変です。

 

キャビンも複数教習や検定時の同乗者座席確保の為Wキャブになっており後部はめちゃくちゃ広くなっていました。

写真を見ていると教習所によってはベッドを取り外して座席を設置しているところもあるようだったのでそこはいい教習車だったのかなと思いました。

気になって大型車でWキャブの車あるのか検索してみましたが教習車でしか見つからなかったですね。

大きな若しくは大量の荷物を積むための貨物車なので当然といえば当然なんですけど、普通貨物車クラスになるとWキャブは普通にあちらこちらで見るし、はたまたトリプルキャブまであるのはちょっと解せない…

 

閑話休題。1段階では普通車と同じように場内ですがまず基本の外周で苦労をしました。

車体が大きくもともと通行帯に対してそこまで余裕がなく、ホイールベースが長いので当然内輪差も大きく(約2.5メートル!)外回りでも気を抜くとすぐに中央線より内側に後輪が入ってしまうのを繰り返してました。

内回りの時は基本的に大丈夫でしたが1回だけ縁石踏んだような…

外回りは前輪通過ポイントの具体的目標がない若しくはタイヤは縁石ギリギリで車体は縁石の上を走行させるというドキドキ運転だったけど内回りは右前輪がセンターラインギリギリを通過すればいいという目標が見えていたからかなと思います。

外周道路の直線で40キロ出せと言われるのですがカーブを後部が抜けてから加速をしてギアを上げて加速をして…としているとすぐにまたカーブが迫ってきて全然間に合わないのでいつも苦労していましたが、ある時指導員にカーブを抜けそうになったところでもう加速をしてカーブを抜ける前にギアを上げろというアドバイスを得て安定してスピードを出せるようになりました。

 

右左折は車体の長さに慣れるかどうかのお話でした。

左折は内輪差にビビれば大回りになるし、ハンドルを切るのが早ければ内輪差で接輪するし、右折は交差点の中心点のすぐ内側を通っても少し真っ直ぐに伸ばさなければ内輪差で曲がった先の対向車にぶつかるし…

この“伸ばす”という感覚、今までなく大型車で身に付いたけれども普通車でも重要な感覚かなと思いました。

左折では曲がる先の道路の対向車線まで車体が張り出すのもあって位置を決めづらいですが、右折は左前輪を交差点の中心、そのあとに縁石ギリギリもしくは左ミラーをぶつけるギリギリまで寄せるだけなので右折の方が比較的簡単でした。

 

狭路の通行

S字は前輪がコース内にひかれていた白線(車道外側線?)を踏むように通るかミラーが障害物のポールにぶつかるギリギリの位置を通ればいいだけだったので基本的にはそこまでは難しくなかったです。

しかしS字の右カーブ後に必ず左折で外周に出るのですがもうすぐに外周の内回りのカーブが始まっており、90度の左折ではなく、若干鋭角の左折になっていてそれを意識しすぎて左折時の内輪差の事を考えて左ギリギリ寄せを早くにやめると車体の後部はまだS字の右カーブまっただ中で接輪したり、完全に後部が右カーブ抜けてから左折をし始めて大回りしたりしていました。

 

坂道の通行

坂道発進はエンジン音で判断ができなかったのでタコメーターで判断をして発進していました。駐車ブレーキも普通車のものと違いオンオフだけで駐車ブレーキが緩くなったから車が動き出すという段階がないので、ちょっと多めにアクセルを踏んでいました。下り坂は2速でエンジンブレーキを頼りに降りるのですが、その力強さすごい…。下り坂では両方の足がいらないくらいしっかりと速度がいい感じ抑えられていました。

 

路端停車及び発進

路端停止は特筆すべき事はほぼなかったです。

ミラーが大きく張り出しているのでそれをポールとギリギリにして止まるだけ。

問題は発進時。

普通車では意識しないリアオーバーハングという敵。

通っていた教習所では路端停止場所のすぐ先に障害物があったのでそれを避ける為に反対車線に出るのですが、その為に全力でハンドルを切ると荷台が左のポールにぶつかるので左後ろを見ながら右にハンドルを切る角度を決め、左後ろが抜けたら左ミラーが障害物に当たらないようにさらにハンドルを切るという事をしていました。

停止時にはポールに対して30センチメートル以内にまで近づいているのにハンドルを全力できってしまうとリアオーバーハングは約70センチメートル出るので確実に当たってしまうという事でなかなか馬鹿にできない問題。

 

隘路への進入

最後に普通車になかった課題で隘路というものがあります。(詳しくは隘路 大型免許 - Google 検索)

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隘路


これは上(または下)の初期位置から止まらずに左折(または右折)して点線の位置に車を止めるというものです。

だいたいいつも車体がまっすぐに収まった時には停車時の限界位置を通り過ぎているのでまっすぐ下がって収めるというのを繰り返していました。

検定でもその1回の切り返しで不合格になることはないというので諦めていました。

 

2段階

 

2段階では普通車と同じように路上が始まりますが、その前に縦列駐車方向変換、後方感覚がありました。

 

縦列駐車

縦列駐車は普通車と同じように、まっすぐに下がって、左にハンドルを全力できって、真っ直ぐにして、右にハンドルを全力で切るだけなのですがタイミングを掴むのが難しい。

最初のハンドルを左に切るタイミングは後輪が縦列駐車部の前の縁に重なった時。

これが普通車の教習(コンフォート)だと左後部座席の三角窓にポールが見えた時と教わると思いますが、大型車にはそんなものはないので後輪の位置をしっかりと把握している必要があります。

次のハンドルを真っ直ぐにするのもタイミングとしては車体が駐車部の左後ろの角から45度の角度で一直線上になった時ですが、大型トラックはハンドルがよくきれるので走りながらハンドルを戻していると、それよりも角度が付きすぎてしまうという…

最後のハンドルを右にきるタイミングは後輪が枠内に入ったらですが、これはまあ運転席側なので首を伸ばせば後輪が見えるしどうにかなるけど、ここまでの2挙動でミスをしているとどうにもならなくなってうまく駐車できません…

 

方向変換

方向変換も普通車と同じようにバックの時に後輪を内側の縁石ギリギリに寄せるだけですが、それが難しい…

普通車では気にならないバック時の外輪差も大きく、計算上最大で1.8メートル程は膨らんでしまうのでそこまでハンドルをきれず内側に寄せきれないという事になるので、もうバックの前の位置取りからかなり慎重にしないといけないですね。

 

その他所内

後方感覚は言葉通りそのまま。

バックで運転席からおよそ12メートル離れている荷台を後ろの壁と50センチメートル以内に近づけるだけ。

ぶっちゃけアルミバンだと後方カメラあるだろうし平ボディでもカメラあったらどうって事ないけれども、これも検定の課題です。

深視力がある人はなんともないと思います。

 

他に2段階で場内でやった事といえば貨物車の特性体験という事で、急ハンドルやカーブ高速通過をやりましたが、荷台にコンクリートの塊を何トンか載せての積載状態では流石に大型車では狭い教習所では危ないという事で中型車で体験しました。カーブ高速通過はもっとスピード出して!もっとスピード出してと言われるのでそのスピードまで出すのでいいですが、急ハンドルはビビっちゃってそこまで急ハンドルできませんでした…

 

路上

そして路上へ。

路上教習は何度もやりますが、もう運転に慣れる為という感じでだいたいおんなじようなコースを何度も走るだけです。

 

最初に思ったのは路上駐車鬱陶しい…

教習所を出てすぐの道路は交通量も少なく道路幅も広いので片側一車線の相互通行ですが、普通車が止まっていても普通車はセンターラインはみ出すかどうかくらいで追い越せるので対向車を気にせず抜かしていきますが、大型車は幅が広いので対向車がいると確実に追い越せない…

そして全長が長いのではみ出し始めてから元の車線に真っ直ぐに戻るまでかなりの距離を要する…

そんな追い越しをしているとすぐに交差点が来て、と追い越しが一回入るだけでハンドル操作と安全確認回数が増えて忙しい…

 

そんな路上駐車、検定時にも遭遇したのですがそれは環七の側道。

普通車サイズのトラックが左に止まっており、すぐに動き出す気配もなかったのでやむなく追い越すことにしたのですが、側道なので狭い!右は本線の高架が迫っており幅はギリギリ!右側の本線の遮音壁のボルトのでっぱりを意識したのはこの時ほどありませんでした。(そのボルトがわかる側道のストリートビューを貼っておきます。Google マップ)右ミラーとボルトとの隙間は20センチメートル以下くらいかなという状態ですり抜けました。普通車ならどう考えても余裕なんですけど。

 

話を戻して往路で次に通るのは柴又街道。

この道路はとりあえず幅が狭い。全てこれに尽きます。所内道路では直線区間で大型同士すれ違う時に緊張感なかったのに、ここでは左ミラーが電柱、街路樹等に当たらないかなと気を配り、右ミラーは対向車の右ミラーと20センチメートルくらいですれ違うという場面が何度もありました。いやまあ一応大型車が走れる規格の道路なんでしょうけれども。

ああいう狭い道路だと街路樹邪魔ですね…常に剪定された状態で何も生えてなければいいんですけど。

あとはこの道路、歩道があるにはあるんですが狭いのでよく自転車が車道を逆走してきて、このまま来られたら間違いなくすり抜けられずに踏み潰すな〜と思っていたら自転車もそれを察して歩道に逃げ込むという場面が何度もありました。

道路幅が限界に近いとちょっとしたカーブも内輪差で内側を引っ掛けないかな怖いので、幅が狭い道路は良くないですね。

この柴又街道、途中で京成本線との踏切があるのですがそれが若干斜めで横断距離が長く、MT車基本のギアを変速せずに発進通過すべし!というのを守って毎回通過していたのですがいつもいつもエンジン音五月蝿いなぁと思いながらアクセル踏んでました。複々線の踏切とかもっとエンジン唸らせながら通過しているんでしょうが…

 

柴又街道からいつも柴又新道口交差点で蔵前橋通りに入りますが、この交差点、丘の上に作ったのか?と聞きたくなるどこから来ても上り坂になる交差点でMT車としては右折時の対向車待ちや歩行者等でいったん停止するといつも停車即坂道発進をしなければならなかったので、所内の坂道発進のようにのんびりとしたアクセルと半クラの調節ではなく素早い調節が要求されてつらかったです。交通量が多いので間違いなく後続車はいるので逆行は許されないし右折待ちで前が一台だけ進んでという状況だとアクセル踏みすぎても追突するし…

蔵前橋通りは片側二車線で基本に従えば第一通行帯を走るべきだけれども、特定中型以上の貨物車は第二通行帯が指定されているので第二通行帯を走ります。第二通行帯は流石に駐車車両がいないんですけど、第一通行帯を走っている車両は加速が悪く速度も制限速度ぴったりしか出さないこちらを抜かしながらそれを避けてくるんですけどそれが怖い…自分の速度的に割り込めると思うんでしょうが…

原付とかも駐車車両を避けながら左から抜かしていくんですけど、ミラーからも死角になるタイミングがあって死角に入る前に気付いてはいるので、あのバイクの位置はどこだ?と思いながら運転するんですがそれでも死角から左斜め前くらいに出てきた時とかドキッとはしますね。往路で蔵前橋通りから外れる時は奥戸街道へ斜め分岐するか総武陸橋下交差点で大きく右折するかだったのでそこまでリアオーバーハングは意識せずに右折していました。

 

環七では側道ではなく本線上で左折するパターンが一つだけあり、その時は左見て巻き込みいないか確認して右見て曲がり始めが大型車に抜かされるタイミングと重なってリアオーバーハングでぶつからないか確認して、でも慌ててハンドルをきると内輪差で引っ掛けるので落ち着いてタイミングを見極めて…と一番嫌なパターンでした。

この左折する先は名もないような小さい区道ですが大型車が通る事が考慮されており、内輪差を考えてハンドルをきるとキャビン部は右折車線部を超えて左折直進車線の進行方向にかかるのですが、それを見越して停止線がかなり後ろに引かれており、よく考えられているなとちょっと感心していました。

普通車でも謎の右に頭を振ってから左折する人がいますが、あれは大型車がやるもんでしょーと思っていましたが、大型車でもそんな事はしませんでした。ただ単にハンドルの切り始めが普通車より遅くなるだけで。

まあ、教習で使えるようなコースだから頭逆振りしなかったけど、もっと進入先が細かったりすると必要なのでしょうか…?それとも牽引だと使う技術なのかな…?

 

所内から路上に出て、より鋭敏な車両感覚が要求されると感じたのは当然ですが、一番違ったのはリアオーバーハングかなと思いました。

相互通行では左折するのに普通車ではそこまで意識しない対向車を意識しなければならないし、それ以外の左折や右折でも自分が抜かされる事を意識しなければいけないので、曲がる方向と逆もまた同時に意識するのが普通車と大型車の分かりにくい大きな違いかなと…

 

おわりに

そんなこんなで教習は延長でも無料プランでしたが延長する事なく、検定もそれぞれ一発で無事合格して大型免許を取得しました。

 

密かなどうでもいい自慢なんですが、初めて免許を取ってから6年が経過しているんですが今まで一度も免許更新講習を受けたことがないので、また更新期限が近づいてきたら大型特殊か牽引の免許を追記して講習を回避しようかなと思ったり…まだまだ先の話ですが。